14 - 行政関連活動 省庁[編集]
- 刑事事件・特赦局
- 民事裁判・法務局
セクト本部(Mission sectes)の活動[編集]
政策のフォローアップ[編集]
セクト本部は、各控訴院の連絡員に任命されている司法官と定期的に連絡をとっています。 また、担当者が、他省庁の担当者、とりわけ税務総局や税関・間接税総局と、定期的に連絡をとっています。必要な場合には、刑事事件・特赦局に配属されている2人の専門家が仲介役を果たします。
研修[編集]
セクト現象に関する研修の枠組みにおいて、国立司法官学院(ENM)は、刑事事件・特赦局のセクト対策員が教官を務める1週間の研修会を、司法官やセクト現象に関わりのある公務員を対象に、7年連続で開催しています。 行政文書開示請求審査委員会(CADA)が2004年2月2日、1990年から2003年の期間に実施された研修の講師や受講者の氏名、及び、その人たちに渡された文書を対象とした開示請求に対して開示拒否の回答を行ったことは、言うまでもありません。
セクト本部の活動[編集]
2004年度のセクト本部の主な活動は、セクト団体内の子供たちのフォロー、そしてセクト団体員を両親に持つ子供たちを連れ出して保護することでした。 この他、MIVILUDESが指摘しているように、個人の自由を侵害している小さなグループが幾つか発見されました。 また、受刑者及び精神科病院で監視を担当する司法官に対して幾つかの団体が勧誘を行ったことから、刑事事件・特赦局が、司法官に対して情報提供を行う必要がありました。 また、刑事裁判を起こすセクト被害者の補佐について、検討する必要があります。裁判の際、セクト団体からの報復を恐れるあまり、告訴人が提訴内容を覆したり、過小申告したりするような事態になることが判明しています。
また、国がセクト現象の啓発を積極的に行っているにも係らず、セクト被害者の訴えを裏付ける証言が十分に得られない場合にその訴えの受理を司法機関が躊躇していることを、指摘しなくてはなりません。 2004年度中に得られた主な判決例については、この報告書の第2部で分析しています。 ここでは、UNADFI(個人と家族を守る会全国連合)が民事裁判を直接おこす資格を持たない、とした破棄院の決定(2004年9月28日)について述べるに留めます。 1982年3月18日に設立されたUNADFIの定款には、全国のADFI(家族と家族を守る会)及びその他のアソシエーションを結び付け、活性化させ、連絡調整をすることが、唯一の目的であると記載されているのです。「守る会」などは、セクト的性格を有するグループ・団体・組織から、家族や個人を守ることを使命としています。しかし、これらの「守る会」は、UNADFIとは異なり、公益法人の認定を受けておらず、原告となることが出来ないのです。 破棄院のこの判決により、UNADFIは、刑事訴訟法第2-17条が定める「原告」になることが暫定的に不可能になりました。この問題を解決するには、法の改正、もしくは、(進行中である)定款の変更しかありません。
若年層法的保護対策局[編集]
セクト問題に関する法務省内の連携[編集]
若年層法的保護対策局(DPJJ)は、刑事事件・特赦局のセクト本部と連携した活動を、2004年度も引き続き実施しました。 とりわけ、少年担当判事の監視下に置かれ、且つ、セクト問題と直接的な関係がある未成年者に対する教育補助の状況について、定期的な追跡調査を実施しました。未成年100名以上に関係がある10数件の「ホットな案件」が、2004年度中における追跡調査の対象となりました。 これらの案件については、当該未成年者の状況データを日々更新しています。また、2005年度の活動方針についての総合的な考察を行っていますが、各地域の若年層法的保護対策局の内部に、控訴院の連絡員と連携を取る担当者を新たに置くことが、特に望ましいように思われます。
裁判所への質問書[編集]
2003年4月15日、若年層法的保護対策局から少年担当判事全員に対して質問書が送られました。その目的は、セクト現象を理解するための方法を分析すること、そうした訴訟を扱う際に直面する困難により良く対処すること、研修を行う必要性がないかどうかを認識すること、でした。 この質問書に対しての返答は、回答者の名前を伏せた状態で分析を行い、2004年下半期に、報告書「セクトに関わる諸問題Les proble'matiques sectaires」として発表されました。 調査結果は、セクト関連問題の案件を審議している少年担当判事の割合が小さい(1,4/1000)ことを示しています。 しかしながら、質的な点から見ると、これらの案件は、より慎重なフォローアップを判事や教育関係者に対して強いていることを、指摘しておく必要があると思われます。 関係機関に配布された報告書は、研修用の教材として有益なものとなるでしょう。
教育扶助に関する判例[編集]
リヨン控訴院において2004年9月7日に下された判決は、未成年の3兄弟の教育に関する司法介入は出来ないとした、ヴィルフランシュ・シュール・サオンヌの少年担当判事の2003年12月11日の決定を、破棄しました。 検事は、両親がセクト団体のメンバーであり、その団体の教義が子供たちにとって危険なものであることを考慮した上で、教育補助の継続が不可欠であるとの判断を下し、一審判決を破棄したのです。 このケースでは、両親が「Sahaja Yoga」という団体のメンバーだったのですが、この団体は、団体内部で子供の教育を行うことを奨励していたのです。長男は、数ヶ月にわたるイタリア滞在を何度か行った後、インドに滞在しました。妹も同様の滞在を行う計画だったのですが、教育補助規定がこれを阻止したのです。 両親は、子供たちを外国に行かせることはないと明言していました。また、民法第375条で定められた条件を満たしていないと考えていました。
しかしながら、「Sohaja Yogaの教義へ傾倒している両親による強い影響力を考慮すると」子供たちは肉体的危険に晒されている、との鑑定結果が出されていました。 控訴院は、未成年者の教育環境が著しく損なわれていると判断し、開かれた環境での教育補助を3兄弟に対して1年間実施するよう、命じました。また、両親との「協定」が成功しなかった場合には子供を保護隔離する可能性も否定しないという、鑑定士の見解についても言及しました。 この判決は、セクト団体の教義と、民法第375条に係る危険の概念とを、直接的に結びつけるものとして、意義のあるものです。
外務省[編集]
諸外国の動向[編集]
国外では、セクト的逸脱行為の問題に対して、動きが全くありません。セクト現象が継続している一方で、状況が悪化しているという兆候は無く、世論の注意を惹くような大事件も起きていません。衝撃的な事件が発生すれば事態は一変するかもしれませんが、この問題に対するスタンスは変わっていません。アメリカなど幾つかの国々は、特殊な法規が、自由、とりわけ信仰の自由を脅かす危険性について、敏感になっています。監視活動を行う必要性を認識しているヨーロッパの隣国は、控えめな法体制に留め、それを強化しようという動きもなく、特殊な法体制を敷くよりは、防止対策、教育、人権及び個人の自由の推進に力を入れています。セクトに対する厳しい態度を他国に先駆けてとっている国は少なく、政治パフォーマンスとして行っているのではないか、と思われる懸念もあるようです。そうした中、例外的なフランスの政策は、真似をされることはありませんが、理解され、関心を集めています。アメリカ国務省が作成した「世界における信仰の自由に関する報告書」は、我々の政策を問題視していません。国際的には、OSCE(欧州安全保障協力機構)などから、フランスに対する批判もあるわけですが、本質的なことについては何も言っていません。ヨーロッパ諸国の幾つかの国は、経験及び情報の交換に興味を示しています。
ベルギーでは、1998年に法務省内に設置された独立団体「CIAOSN(有害セクト団体に関する情報センター)」が、この問題を担当しています。このセンターの構成とその機能については、2004年に法律で明確に定められました。任務は、国内におけるセクト現象や国外の関連事象を調査すること、情報を収集したり資料を提供すること、権利を行使する手段を求める人を補佐すること、です。センター自身が提訴することは出来ませんが、セクトの被害者に対して提訴を行うように後押しします。有害セクト団体の問題についての意見や勧告も行います。特に政策面での意見や勧告を行います。 CIAOSNは、メンバー8名と代理人8名で構成され、その半数は国会議員からの指名、残りの半数は閣議指名です。2年毎に報告書を作成します。このセンターの見解や態度は、常に世論の関心を惹きます。2004年度中は、サイエントロジー教会に反対する立場を示しました。発表文書中では、ラエリアン・ムーブメントや福音主義者グループが引き合いに出されています。
- 全体的に見て、ヨーロッパの隣国は、セクト現象に対して非常に寛大な姿勢をとっています。宗教の絶え間ない変化に長く接してきたアングロ・サクソン系の国々においては、これは意図的な姿勢です。英国では、「教会」の設立は完全に自由で、何の制約もありません。しかしながら、「チャリティー・コミッション」を介した一定の監視が行われています。この独立組織は補助金を受けており、文化団体の活動を監視したり、フランスでいう「公益団体」に相当する「チャリティー団体」法人格認可の可否を決定することが出来ます。国家権力とは直接的に関係がないところで、セクト情報提供団体や被害者擁護団体が結成されています。オランダには、セクトに適用される特別な法規はありません。宗教団体に関する統計を記載している公的文書は存在しません。公序や健康保護に関わる場合にのみ、宗教の自由が制限されます。一方、スカンジナヴィア系の幾つかの国においては、宗教的「法人格」が存在します。その認可には幾つかの基準があり、一定の監視を可能にしています(サイエントロジー教会は、その宗教法人格をデンマークで取得することが出来ませんでした)。
地中海沿岸諸国(イタリア・スペイン・ギリシャ)においては、個人の自由についての憂慮がそれほど強くありませんが、圧倒的影響力を持つ宗教の存在が同様の結果をもたらしています。その宗教的信念が強いため、新たな宗教団は、アウトサイダー的で取るに足らない存在に過ぎません。イタリアでは、精神操作(マインドコントロール)罪を刑法に導入する法案が提出され、今も審議が行われています。ギリシャには監視体制が全く無く、専門的組織も当然のことながら存在していません。刑法違反を犯した団体が相応の処分を受けるだけです。スペインでは、1960年代のセクト現象の出現以降、啓発や抑圧を中心とした慎重な対応(セクト現象調査委員会の設立、「破壊的」セクト団体を対象とした警察の活動)しか行っていません。1999年には法務省と内務省の合同委員会が勧告を出しましたが、法制化には至りませんでした。これらの国々においては、優勢的立場にある伝統的宗教がセクト現象の歯止め役になっているのは事実かもしれませんが、セクト団体が増えていないということではありません。ギリシャでセクトと見なされ得る団体の数は、数百に上ります。スペインにおいては、セクトは地盤固めを行っている段階にあり、インターネットの急速な普及がセクトの布教行為を容易にしています。最近のイスラム過激派テロの衝撃によって、宗教団体も含めた特定団体の活動を警戒する方向に向かうことになる筈です。
宗教的多様性と国家干渉主義の両方の伝統を持つ中央ヨーロッパにおける状況は、少し異なります。とりわけ旧東ドイツの各州においてセクト団体が増加しているドイツでは、予防啓発とセクト脱退者保護の政策が、地方レベルで実施されています。セクト担当委員のポストが各州に創設されました。中央レベルでは、教会法人格の取得に関する認証基準が定められました。情報交換を目的とした作業会議が、州職員と州代表者の間で何度も開かれました。とは言え、市民社会には秩序があり、国家宗教は揺るいでいませんので、この問題への関心は限定的です。現在のところ、禁止されたセクトはありません。その上、国家権力の行動の幅は狭くなっています。連邦憲法裁判所が、国家の中立及び宗教の自由の原則の厳格なる尊重を求めているからです。
特別な組織を持っているオーストリアは、踏み込んだ対策を講じています。州レベルでは、パンフレットや教育によって世論啓発を行うことを目的とする対策本部が設置されています。宗教団体に関する法律が存在しており、新興の宗教団体に対しては特典(とりわけ税制上の特典)が認められる法人格を一定の観察期間後に認可することになっていますが、これは、優遇策と監視手段の両方を兼ねています。内務省と教育省は、予防啓発を行っています。幾つかの州では、セクトの危険性に関する情報提供を行う組織を創設しました。スイスでは、連邦政府レベルでの政策や組織はありませんが、注意の喚起や非政府組織の設立が地方レベルで行われています。
こうした状況において、セクト現象に対するフランスのスタンスは驚きを与えるようですが、関心も集めています。我々の制度が好奇心を呼んでいること、我々の対応策についての情報交換が望まれていることを示す事例は沢山あります。我々とは全く異なった考え方を持つ国々(イギリスなど)からも関心が寄せられています。MIVILUDESの国外活動は、大きな関心をもって迎えられています。我々の制度や実施方法を広める為ではなく、固定観念を崩したり、合法性に対する認識の違いを越えて比較検討して収穫を得るために、こうした期待に応えることが重要になっています。
内務省[編集]
警戒[編集]
未成年者の保護、そして、自給自足を行っている団体の監視に特別な注意を払っています。 予防啓発体制は、2004年に地方レベルや県レベルに配置された連絡員が担っています。彼らは主に、憲兵を代表する形で県警戒本部に参加する、各部隊の行動をコーディネートする、政府組織や地方組織の各部署との連携を容易にする、という任務を負っています。研修に関して言えば、初期研修やフォロー研修の場において、セクト的逸脱行為に対する注意喚起、及び、国家機構の役割に関する教育活動を、憲兵に対して行っています。
対策活動[編集]
憲兵隊は、司法機関の判断もしくは提訴を受けて、法規や公序に反する行為に関わる捜査を行っています。
1 -- 確認された逸脱行為及び潜在的危険性[編集]
2004年度中に憲兵隊に寄せられた通報は、主として、財産の侵害(詐欺)と人に対する犯罪行為(背信行為・薄弱状態を詐欺的に利用する行為)に関するものでした。 2003年度と同様、人間的充足・より良い生き方の探求・自然との調和・リラックスを活動目的と申告しながら、一般的ではない怪しい行為を実践している団体が多く設立されました。幾つかの特徴(指導者が誇示している職業・法外な金銭要求)が目に付けば、警戒を続けなければいけません。 逸脱行為を行うセクト団体の活動は偽医療の分野に多く、病気や困難により精神的に弱くなっている人たち、そして医療関係者たちが、標的になっています。
- 医療の分野において
- 医療類似行為の分野においては、「無害で許容されている行為」と「有害行為」との境界線を引くことが困難なのですが、特定の行為については矢張り、放任しておくことは出来ません。幾つかの例を挙げておくことが望ましいでしょう。
- ヴァル・ドワーズ県では、偽宗教団体が「病気は幻想でしかない」「病気や死は神によって創造されたのではない。故にそれらは存在しない」と主張しています。「医者から逃れなければならない」とも言っています。入院の拒否は団体の戒律を遵守するため、との報告があります。
- 麻薬中毒者やアルコール依存症患者に対して幻覚作用がある植物を使った治療を行っている団体も、我々の注意を惹いています。ヘロイン中毒を一晩で治す、というような例があります。
- 別の団体は、エイズ・ウィルスが未だに特定されていないと主張し、科学的に立証されていない治療を勧めています。
- 精神療法や研修の実施を認められていない団体が、インターネット上で宣伝活動を行ったり、海外県・スイス・ベルギーなどで活動を開始したりしています。
- 最後に、知能が高い子供や障害を負った子供を対象とした偽医療行為等を、何人かの親が告発しています。
- 子供の教育の分野において
- 団体内部で教育を受けている子供に関する相談がありました。親がセクトに加入していることが原因で、教育環境が悪化しているケースです。厳しく耐え難い教育規則に拘束されることに絶えられなくなった未成年者や成人の脱出が、二つの団体でありました。
- 職業教育や研修の分野において
- 自己成長や活力吸収をテーマとした研修、心理学の「資格認定」研修、援助に関する研修、等々を提案する研修センターが、南フランスを中心に沢山開かれており、地元の議員や市民から疑問の声が上がっています。これらのセンターのホームページを見ると、弱い人たち(苦しい状況にいる人や精神療法を受けたことがある人など)や医療関係者をターゲットにしていることが分かります。そして、非営利団体だと届け出ているにも関わらず、しばしば法外な金銭を要求しています。
- その他の分野
- 最後に、インターネットを活用してフランス全土に勢力を伸ばそうとしている団体を幾つか挙げることができます。人種選別を説き、「自殺・人工妊娠中絶・人肉食・獣姦」を柱とした行動をとる団体もあれば、「人種による兄弟思想を復活させ、白人化された輝かしい社会を早急に齎す」ことを目的に掲げる人種差別団体もあり、国が対応すべき逸脱行為の多様性を示しています。
2 -- 憲兵隊が扱った主な事件[編集]
司法機関の主導、もしくは、起訴により実施された主な捜査は、以下の違反行為に関するものです。
- 薄弱状態に付け込む行為、背信行為
- 詐欺、不法労働
- 違法薬事行為、違法医療行為、資格詐称
- 15歳以下の未成年者に対する親権者の日常的暴力行為(体罰や暗所監禁に基づく教育方法)
- 殺人
- 殺人脅迫
- 宗教関連物件等の冒涜行為・破壊行為
冒涜行為や破壊行為に関する憲兵隊の捜査では、50人以上に対して尋問を行うことができました。
3 -- 海外県の状況[編集]
ポリネシアにおいては、家族との離別・退職・財産提供・土地売却・借金・キャッシュカード提供・家族手当提供・団体への独占的奉仕、などを「黙示録」系の信者たちによって強制されて不安定な状況に陥った信者たちが、詐欺の告発を行いました。 マルチニック島では、偽福音主義団体の教祖が、未成年強姦と詐欺の容疑で取り調べを受けました。 ギアナでは、悪魔祓いの儀式中の暴行により、未成年者が死亡しています。
内務・治安・地方自由省[編集]
内務・治安・地方自由省は、セクト的逸脱行為に関する分析と対策を実行しています。特に関心を持っている点は以下の通りです。
- 社会的分野もしくは経済的分野におけるセクト現象の進展、構築方法、活動
- セクト的逸脱行為を実証する証拠集めの難しさ
- 監視区域におけるセクト団体の進出規模と活動規模の減少
会員数の多さや有名人の加入などが世論の関心を集め、メディアから「セクト」と呼ばれている特定団体の活動も然る事ながら、熱心な勧誘行為や盲信利用を行っているのは、寧ろ、散在する小さな組織です。ですから、発見することが困難です。こうしたことは職業研修の分野に多く、自己成長をテーマとした偽研修が行われています。 総合情報局(DCRG)は、未成年者及び不安定な状態にある成人に対する特別な警戒を行っています。 「enfants indigo」現象の拡大は、未成年者に対するセクト的逸脱行為の執拗で多岐な危険性を例証しています。最も頻繁に指摘されているのが、「enfants indigo」や「communication facilite'e(容易なコミュニケーション)」と呼ばれる方法による逸脱的療法です。精神療法医を自任する者の多くが、子供が超活動的なのは「宇宙出身であるが故」なのだと言いながら金蔓を維持してきました。彼らはまた、読み書きが出来ない障害者でもキーボードを叩けば意思表現が出来る、というような事を吹聴してきました。「communication facilite'e」を謳い文句とする方法は、「Nouvel a^ge(=New age)」という団体によって行われています。
2004年4月、アルデンヌ県において、子供のための社会援助グループの教育官でありながら、セクトと指摘されている団体に所属している3名が、「未成年者の薄弱状況に付け込む行為、治療を受けさせない行為、精神的暴力行為、子供を隠す行為」の容疑により、取り調べを受けたことも指摘しておかなければなりません。 また、子供の補習授業や個人授業などを切っ掛けに、両親のセクト団体加入を誘うようなこともあります。 また、臨床治療や精神療法などもセクトに利用されることがあり、病人や精神薄弱者、医療関係者を多く集める手段になっています。7月には、ガンの治癒を謳う未認可の療法を実践していた団体の責任者である元医者が、「違法医療行為」及び「詐欺共犯」の罪で、シャンベリ控訴院で禁固3年の判決を受けています。
子供の保護活動、及び、臨床治療や精神療法に絡んだ逸脱行為の監視活動は、2005年のDCRGの優先的活動の二本柱になります。 2005年はまた、セクト対策として各県に設置された行政機関を再編成する年にもなります。現在のセクト対策は、1999年12月20日のフランス内務省通達で設置された「監視室」が行っています。各県の知事(共和国委員)が責任者を務めるこれらの監視室は、情報交換を促進すること、及び、セクト問題の啓発や対応策のコーディネーションを行うことを目的として、関係機関と連携をとっています。 「地方分権化された行政組織の簡素化」計画において、内務大臣(内務・治安・地方自由大臣)は、「監視室」を「非行防止・麻薬対策・被害者扶助県評議会」に吸収させることを提案しています。 その権限・構成・組織・機能については、現在準備中の政令で明確に定められることになっています。その実施期限は、2005年6月30日になっています。 セクト問題の啓発及び対策に係る地域レベルの体制は、以下のように強化されることになります。
- その体制の創設は、単なる通達ではなく法文によって実行されます。
- 評議会の構成メンバーの選考については、国家機関だけでなく地方自治体やアソシエーションにもその対象を広げます。情報交換が促進され、セクト的逸脱行為の発見が容易になるでしょう。
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